知恩院の国宝・御影堂、大修理完了!

早咲きの桜のつぼみが、ぽつぽつと咲きこぼれていた浄土宗総本山「知恩院」の境内。
その先に見える大きな建物・御影堂(国宝)が約9年に及ぶ大規模な修理を終え、報道陣向けの内覧会が行われました。

御影堂は、浄土宗開山である法然上人の御影(木像)を安置する建物。写真で見るよりもぜひ実物をご覧いただきたい。とっても大きな建物です。大きさゆえに大殿とも呼ばれる、知恩院の中心的建造物です。

御影堂は江戸時代初期の慶長8年(1603)、徳川家康によって建てられますが焼失。寛永16年(1639)に家光によって再建されました。

その歴史ある御影堂の大修理がスタートしたのは2011年。法然上人の八〇〇年大遠忌を迎えたことが契機となって始まった大修理です。

元号も令和へ移り変わった頃、ついに修理が完了!2020年4月13日~15日に落慶法要を実施することが決定しました。また4月13日からは堂内の一般参拝(※)もできるようになります。

◎4/13~15の「国宝 御影堂」落慶法要および関連行事は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の国内での発生状況を踏まえ、感染拡大防止を考慮した結果、中止を決定されました。参拝は13日の午後から可能です。(2月28日時点)

伝統の職人技や技術者などの尽力のもと、修復された文化財。厳かな空間でまぶしく輝く仏具装飾を前に、報道陣からも感嘆の声がもれていました。たとえば内陣を飾る幢幡(どうばん)。その長さは約6メートルで世界最大級の大きさだそうです。

私たちいいとこスタッフは2014年に行われた御影堂平成の大修理見学会にも参加。当時は工事現場さながらの雰囲気だったので、美しくよみがえった姿に感動もひとしお(当時の記事がこちら)。

ちなみに知恩院には七不思議というものがあり、そのひとつ「忘れ傘」は御影堂の正面軒裏に残された「傘」のことを指します。なぜそこにあるのか諸説あるのですが本当のところはよくわかりません。今回の大修理では「忘れ傘」周辺には手をつけず、そのまま置いておくことにしたのだとか。「謎をとく」よりも「謎に包まれたロマン」を受け継ぐことにしたのですね。新しく生まれ変わった御影堂を参拝される時は、「忘れ傘」を見上げることもどうぞお忘れなく。

▼知恩院 公式サイト
https://www.chion-in.or.jp/
▼御影堂大修理について
https://www.chion-in.or.jp/mieido_letter/

※法要などの関係で堂内参拝ができない場合もあります。
◎掲載写真の一部は撮影のため特別に内陣に入らせていただいています。個人の一般参拝は堂内の外陣のみです。

よかったらシェアしてね!
目次
閉じる