桜や山吹の名所・井手町で歴史と絶景スポットを巡ろう

玉川や地蔵禅院の桜が有名な京都府南部の井手町。奈良時代には公卿の橘諸兄に愛された風光明媚な土地は、奈良と京都を結んだ交通の要衝であり、様々な史跡が残されています。桜や山吹といった花を楽しむだけではもったいない、井手町の立ち寄りスポットをご紹介しましょう。

①井堤寺跡(井手寺跡)
町名をとった「井堤寺(いでじ)」とは、奈良時代に創建されたお寺のこと。橘諸兄の氏寺といわれ、広大な境内を有する大寺院だったそうです。お寺は現存していませんが2021年には五重塔と思われる建物の基礎部分が発見され、大きな話題になりました。ほかにも様々な出土品が発見されています。町内の自然休養村管理センターには井手で発見された無数の出土品が一挙に展示公開されています。見学できるのは平日のみですが史跡好きの方はぜひ!

②小町塚
地蔵禅院・玉津岡神社へ行く参道の途中に、小野小町のお墓があります。なぜ井手町に小野小町のお墓があるのかというと、晩年、小野小町は井堤寺に住んで没したという説があるから。六歌仙のひとりだった小野小町。井手の里をよんだうたも残されています。

③駒岩の左馬
大岩をのぞき込むと、彫り刻まれた馬の絵。平安時代の作といわれ、当初は玉川の治水などを祈願する水の神様。それがいつしか芸事上達を祈るようになったといいます。たしかに馬の造形には芸術的なセンスを感じます。

④六角井戸
橘諸兄が仕えた聖武天皇も井手の里を訪れています。このとき聖武天皇の仮宮となったのが橘諸兄の別荘でした。玉井頓宮と呼ばれ、その敷地内にあったといわれる井戸です。説明版も六角形。

⑤蛙塚
玉川でいにしえの人々を魅了した「蛙(かはず)の鳴き声」。そんな蛙のオブジェが井手町を歩いていると見つかります。そのひとつ「蛙塚」はちょっと隠れたような場所にあります。府道70号から玉川保育園の方へ向かい、保育園を通り過ぎたあたりの右手に案内板が見つかると思います。


「蛙塚」のほか、まちの案内板にもさりげなくカエルがいますのでご注目ください。

⑥橘諸兄旧跡
竹林の道を少しのぼると、橘諸兄をしのぶ供養塔があります。橘諸兄は風光明媚な井手の里を世に広めた人物だったとのこと。現代でいうところのインフルエンサーだったのかもしれませんね。

⑦万灯呂山展望台
夜景スポットとしても知られる展望台で、山城盆地が見渡せます。撮影時はちょうど夕刻。天気は曇の日でしたが雲間から陽ざしが…!こんな絶景が見られるのも展望台の醍醐味です。

歴史スポットにユニークな史跡に絶景と、様々な見どころにあふれた京都府井手町。まだまだご紹介していないスポットもあります。ゆっくり、のんびり、井手の里を春の花とともにお楽しみください。

次は井手町で人気のあのグルメをご紹介します!

●京都府井手町の掲載号は「京都いいとこマップ」(2022年3・4月号)へ

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