京都市右京区嵯峨野の有栖川近辺にいて、油のにおいがして、てかてかに全身が光る地蔵さん…
一瞬見逃しそうになりますが、「交通安全 油掛地蔵」ののぼりが目印。
場所は嵐電有栖川駅からは徒歩5分くらいのところでした。
春は有栖川沿いの桜がきれそうなのどかな住宅街に地蔵さんの鎮座する建物があります。
ほのかに漂う油の香り…黒光りする地蔵さま…普通なら水が入っている穴には油が入っていました。
それ以上に驚いたのは次々に訪れる参拝者。
賽銭をしたり、ろうそくをつけたり、日課にしているかのように立ち寄ってはおまいりをしていく人とたくさん遭遇したのです。
地蔵さん自体は今から約670年前につくられたもの。
油をかけると祈願成就という言い伝えが書物に記録されていることから、
今から300年以上前から続く信仰ということが分かっているそうです。
地蔵さんに油を掛けて祈る…この信仰が今もきっと人々の生活に密着に結びついているんですね。
今を生きる京都の歴史の1ページを見た気がし、とてもおごそかな気分になりました。