「知る人ぞ知る名所へ足をのばしたい」「そこでしか出会えない授与品や御朱印を授かりたい」――そんな旅人におすすめしたいのが、京都の久御山(くみやま)ジャンクションから約1.5キロの地に佇む「玉田神社」です。

鳥居の先には、心おどる光景
のどかな田園風景が広がる中、背の高い木々に囲まれている「玉田神社」。その創建は、奈良に平城京が誕生した710年と伝わります。鳥居から本殿へまっすぐ続く参道には心地良い風が通り抜け、頭上では鮮やかな布が幻想的に舞い踊ります。

参道を進んだ先にある拝殿には、大きな招き猫のぬいぐるみが鎮座。また、牧場を思わせる囲いの中には、可愛らしい『うまみくじ』が並びます。


ほかにも、ピンク色の「夢の扉」、猫や馬をモチーフにした装飾が境内のあちこちに散りばめられ、参拝者の目を楽しませてくれます。


こうした試みが「玉田神社」で始まったのは、2019年から約1年半かけて行われた境内の大整備事業がきっかけでした。
大整備を機に始まった、御朱印と境内装飾
本殿の改修や玉垣の整備など、境内を全面的に整えていく中で、宮司の野口さんは氏子(うじこ)さんとの会話をきっかけに、こんな想いを抱くようになります。
「改修してきれいになったお社(やしろ)には、氏子さんだけでなく、もっと多くの人にお参りに来てほしい。そうすれば、神様ももっと喜んでくださるはず」。

そうした想いから始まったのが、月替わりの御朱印授与でした。

宮司の野口さんが自らデザインする御朱印は、まさに唯一無二。同じ月であっても翌年にはデザインを一新するため、遠方から毎月訪れるリピーターもいるほどです。「授かった御朱印を見返すと、思わずクスっと笑ってしまう」という参拝者の声もあり、野口さんは「笑顔になってもらえる御朱印になって良かった」と安堵の表情を浮かべます。
ただ、趣向を凝らした御朱印は、書き上げるまでに15分ほどかかることもあります。その待ち時間を境内で楽しく過ごしてほしいという「おもてなしの心」から、季節折々に移り変わる境内装飾が始まりました。


6月中旬頃からは、上半期の穢(けが)れを払い、残り半年の無事を祈る神事「夏越の祓(なごしのはらえ)」に欠かせない「茅(ち)の輪」が設置されます。一般的な材料であるカヤが手に入りにくいことから、「玉田神社」ではハーブの一種である「レモングラス」を用いて手づくりしているのが特徴。宮司の奥様が栽培されたもので、鼻を寄せると爽やかな香りがほんのり漂う、全国的にも珍しい「茅の輪」です。

新たな風習「夏詣」で特別な夏を
さらに近年は、6月30日から8月31日まで「夏詣(なつもうで)」に取り組んでいます。
「夏詣」とは、「夏越の祓」で上半期の穢れを払い、残り半年の平穏無事を祈って神社仏閣を参拝しようという、東京の浅草神社が提唱した新たな日本の風習です。
「玉田神社」では夏詣期間中、限定御朱印を授与するほか、さまざまな企画を予定しています。
たとえば、7月と8月の特定日には夜間ライトアップを実施。7月下旬から8月下旬には、地元の小学生が絵付けした風鈴が拝殿前を涼やかに彩ります。さらに、かざぐるまの装飾や、『うまみくじ』の絵付け体験など、幅広い世代で楽しめる催しが目白押しです。

「馬の神社」としても注目される由緒
「玉田神社」は、古くから馬にゆかりのある神社としても信仰されてきました。

それは奈良時代。この地にあった朝廷の牧場から聖武天皇に献上された一頭の馬が、宮中の火事を知らせ、自ら火中に飛び込んで鎮火させたという伝説に由来します。その功績から、馬は「火鎮(ひしずめ)」の名を天皇から賜り、神馬(しんめ)としてこの地に帰ってきたそうです。そのため、今も火難除けの神様として信仰され、馬にまつわる授与品も揃っています。

これからも参拝者を笑顔に
宮司考案の特別な御朱印や授与品、ワクワクする境内装飾をきっかけに、今では国内外から参拝客が訪れるようになった「玉田神社」。宮司の野口さんは、多様な参拝者との出会いの中で、さまざまな気付きを得ているそうです。
たとえば、車いすに乗った女性が参拝された際、駐車場から階段上の境内へ車いすを運ぶお手伝いをしたところ、女性や同行者の方が大層喜んでくれたこと。また、近所の共同作業所の方々が定期的に参拝に来てくれること。こうした日々のふれあいから、野口さんは「自分が宮司のうちにスロープなどを整備し、車いすや体の不自由な方でも安心してお参りできる場所にしたい」という未来の目標を掲げています。

神社に息づく伝統や歴史を守り伝えながら、訪れる人の笑顔のために工夫を続ける「玉田神社」。一度足を運べばまた行きたいと心から思う、そんな思い出深い旅の目的地となるはずです。
※御朱印や授与品を希望される場合は、事前にお問い合わせの上、対応可能な日時を確認してからのご参拝がおすすめです。
■玉田神社
https://www.tamada-jinjya.com/
https://www.instagram.com/kyoto.tamatajinja/
◎行事の内容は変更になる場合もありますので公式SNSで最新情報をご確認ください。
◎交通機関の場合は、京阪「中書島」駅もしくは近鉄「大久保」駅から京都京阪バスに乗り、「まちの駅イオンモール久御山」バス停下車後、徒歩10~15分。バス停前の「まちの駅クロスピアくみやま」でレンタサイクルを借りるのもおすすめです。
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