豪商・三井家の別邸、一般公開スタート


10月から一般公開がはじまった、下鴨神社の境内「糺の森」の南側に建てられた「旧三井家下鴨別邸」。
江戸時代に呉服商・両替商として大成し、後に三井財閥を築いた三井家の邸宅とあって、
明治以降に建てられた近代建築ながら壮麗な外観には現代でもハッと目を引くものがある建築物です。
通常公開では主屋1階、玄関棟、茶室のみ見学可能ですが、
今回は特別公開時に見学可能な主屋2~3階を中心に紹介します。


まずは、木屋町通沿いにあった建物を大正14年に現在地に移築してできた主屋。
2階は開放的なつくりで、引き戸を全面開けると広々とした庭園が眺められるようになっています。
かつて木屋町にあった頃はすぐそばに鴨川が迫り、東山三十六峰が見渡せたそうで、
明治大正の激動の時代に活躍した三井家当主が心を休めた場所だったことが想像できます。


ここから3階の望楼へは、かなり急な階段が続いていて、ロープにつかまりながら上がっていきます。
がんばってのぼった先から一望できる景色は、特別公開時にご覧ください。



通常公開されている主屋1階の座敷では、庭園を眺めつつ一服も可能。
写真の「焼きもっちり」とコーヒーのセットは400円。
ゆっくりくつろいできました。


主屋には玄関棟から入ります。
家紋のような壁紙を取り入れるなど、洋風デザインがいろいろとみられる興味深い建物です。


主屋が移築されるよりも前からこの敷地にあった茶室は、純和風建築。
ちょっと奇抜な外観の主屋や洋風の要素を感じる玄関部分だけでないところに、
三井家当主は粋な方だったんだと感じます。

近代建築ファン必見の「旧三井家下鴨別邸」。
邸内では三井家の歴史や貴重な資料が展示されているほか、
ガイドスタッフが常駐しているため、いろんなお話も聞けるので、
歴史好きのみなさんも楽しめるでしょう。

旧三井家下鴨別邸

京都市左京区下鴨宮河町58-2
電話:075-366-4321
水曜休館
入館料 一般410円 ※特別拝観時は別料金
アクセスは市バス「葵橋西詰」「出町柳駅前」バス停から徒歩5分、京阪電車「出町柳」駅から徒歩5分

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