6月16日は「和菓子の日」。
「全国和菓子協会」という団体が、1979年（昭和54年）に制定した記念日です。
この日がなぜ記念日なのか。そもそもの由来は平安時代までさかのぼります。
平安中期の848年6月16日、時の天皇・仁明天皇は、神託に基づいて16個のお菓子やお餅を神前に供えました。
そして年号を「嘉祥」と改め、疫病退散・健康招福を祈ったそうです。
以降、明治時代まで6月16日の「嘉祥菓子」の風習は続きました。
全国和菓子協会のWEBサイトによれば、豊臣秀吉も「嘉祥の祝」を恒例行事として行っていたとのこと。
江戸幕府でも用いられたしきたりだそうです。
明治以降に廃れてはしまいますが、現代に復活したのが「和菓子の日」というわけです。
さて、その和菓子の日に合わせて縁起の良いお菓子を作っているのが、「とらや」さん。
皇室も御用達の同店は、江戸時代に御所に納めていた嘉祥菓子を再現して、販売しています。
江戸時代には「七嘉祥」として7種類のお菓子が供えられることが多かったそうですが、
それを再現した商品『嘉祥菓子』をご紹介します。
※今年の予約は終了しています
箱を開けると、土器の上にヒバの葉がひかれ、その上に並んだ7種類の和菓子。※お菓子の感想は編集部員。
1、求肥製「浅路飴」（あさじあめ）
口に入れると最初はゴマの風味が広がり、途中から徐々に、求肥のもちもちした食感と風味が前面に感じられます。
2、湿粉製「武蔵野」（むさしの）
羊羹を餡で挟んである。餡はこし餡。あっさりとした甘さ。しっとりとなめらかな口当たりで、小豆や芋の味が特に印象深い。
3、外良製「桔梗餅」（ききょうもち）
黒糖の入った外郎でしょうか。こんな和菓子はじめてです！夢中になって食べました！
4、湿粉製「源氏籬」（げんじませ）
二色の餡の真ん中に羊羹でライン。あっさりとした甘さ、やわらかな弾力。食べてみると充分なボリューム感。
5、押物製「豊岡の里」（とよおかのさと）
ほどよい甘さとやさしい口溶け。餡はこし餡。お菓子全体のバランスの良さを感じます。
6、焼物製「味噌松風」（みそまつかぜ）
しっとりもっちり。歯触りがよくて、食感が良い。噛むごとに、ほのかに味噌の味わいが感じられます。
7、餅製「伊賀餅」（いがもち）
外郎生地の中になめらかな白餡。まるで舌の上で溶けていくよう。黄色のつぶつぶも鮮やかで、見た目もとてもきれい！
この嘉祥菓子のほかにもとらやさんでは、
縁起の良い三種類の生菓子を小箱に詰めた『福こばこ』、『嘉祥饅頭』などがあります。
1年に1度の和菓子の日。普段召し上がらない方も、
和菓子屋さんをのぞいてみると、おいしい発見があるかもしれません。
