京都・西院| 感動と驚きを届けたい!和菓子屋「養老軒」の意外な提案

京都の中心市街地、阪急烏丸駅から2駅の西院(さいいん)駅。改札を出てすぐのアーケード商店街に店を構える「養老軒(ようろうけん)」は、昭和初期から続く和菓子店です。近年、京都のスイーツ激戦区として注目される西院エリアで、和菓子の伝統を守りつつも革新的なアイデアで新たな感動とおいしさを届け続けています。

四条通沿いの商店街の途中にあります
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名物の「大福」に「ワイン」ペアリング

「養老軒」の看板商品は手づくりの「大福」。柔らかな求肥と自家製の白餡に、旬のフルーツや野菜などを組み合わせた大福が、季節ごとに種類を変えて店頭を彩ります。そんな「養老軒」が近年注力していること。それは「大福」と「ワイン」のペアリングです。

和菓子界では異色と思われる、大福とワインの組み合わせ。これを提案するのは「養老軒」3代目店長、本田順子さんです。元々プロゴルファーを目指していましたが、怪我をきっかけに製菓の専門学校へ進学。首席で卒業後、和菓子職人として20年以上のキャリアを積み重ねてきました。

みかん大福をつくっている最中の三代目

ワインの勉強を始めたのは、お世話になっているブライダル会社の社長さんのひと言がきっかけ。それまでは甘いカクテルをたしなむ程度の順子さんでしたが、ワインの世界に没入して知識を深め、日本ソムリエ協会認定のワインエキスパートの資格を取得します。この専門知識を活かし、大福とワインのペアリングを店頭で提案するようになると「お店でワインも売ればいいのでは」とお客様から声があがり、酒類販売免許を取得。店内に2つのワインセラーを設置し、JR京都伊勢丹と養老軒のみで取り扱う希少なイタリアワインを販売するようになります(2025年6月時点)。今やワイン目当てで「養老軒」に足を運ぶ人もいるほどです。

店内に置かれたワインセラー

店長おすすめ、大福とワインのペアリング2選・夏ver

順子さんがおすすめする、大福とワインのペアリングを2つご紹介します。

●『みかん大福』×『モスカート・ダスティ』

一年中人気の『みかん大福』には、甘口の白ワイン『モスカート・ダスティ』が好相性。みかんとワインの酸味が重なることで、互いの香りを引き立て、豊かな風味が口いっぱいに広がります。

●夏季限定『イタリアンまんじゅう』×『トッレ・フォルネッロ ドンナ・ルジア』

『イタリアンまんじゅう』は、北海道産クリームチーズと乾燥バジルを混ぜ込んだ白餡で、ミディアムトマトを包んだ夏の大福。トマトの香りを引き立て、チーズをよりクリーミーに感じさせてくれる、辛口の白ワイン『トッレ・フォルネッロ ドンナ・ルジア』がおすすめです。

ギフトにもぴったり、オリジナルの焼き菓子

南蛮窯と五福豆プチパウンド

さらに近年、オーブンを「南蛮窯」に買い替えたことを機に、お客様からの「手みやげにできる日持ちする商品がほしい」という声に応えようと、フィナンシェやパウンドケーキといった焼き菓子づくりにも乗り出しました。時間が経つとパサつきがちな焼き菓子ですが、「南蛮窯」が持つ高い保湿性のおかげで、しっとりとした食感が保てるそうです。

五福豆プチパウンドと焼き込まれている5種類の豆たち

たとえば、2025年の夏に新発売した『五福豆プチパウンド』は、小豆、うぐいす豆、とら豆、金時豆、手芒豆の5種類を混ぜ込んだ、手のひらサイズのパウンドケーキ。縁起の良い数字「5」と、縁起の良い食べ物「豆」で、「五福招来」の意味を込めた縁起の良いスイーツです。誕生日やブライダルといったハレの日のギフトにもぴったりですね。

古い木製の番重も活用。

ワクワクするスイーツで新しい感動を

「今のお店を(創業者の)おじいちゃんが見たら、きっとびっくりするねと家族で話しています」と語る孫の順子さん。そして、和菓子の基本である季節感を大切にしながら、ワクワクするような商品を生み出すことで新しい感動を届けたいという想いを胸に、日々お店を営んでいきたいといいます。

今後は、日本産ワインや日本酒など、国産のお酒と大福のペアリングをご提案できるように準備を進めているとのこと。もちろん、大福や焼き菓子の新商品開発にも積極的に取り組んでいくそうです。

京都旅行の際は「養老軒」に立ち寄って、好奇心をくすぐるような新しい発見と感動を、ぜひご体験ください。

■養老軒(ようろうけん)

https://kyoto-yoroken.com/

https://www.instagram.com/kyotoyoroken/

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