JR円町駅の南東、住宅街の一角でほんのり甘い香りを漂わせているところが「藤田製菓」です。

「藤田製菓」は、絵本から飛び出したようなメルヘンで愛らしいクッキーを手づくりするクッキー工場。

創業は1939年。初代は天皇陛下に献上するお菓子も手がけた、京都屈指の焼き菓子職人でした。現在の手づくりクッキーに一本化したのは約40年前、2代目の時です。
知る人ぞ知る、お得で嬉しい工場直売
「藤田製菓」の工場は昔ながらの民家で、知る人ぞ知る隠れ家的な外観です。

「藤田製菓」のクッキーは問屋さんを通じた卸しが基本ですが、平日(9時~17時)は工場での直売も実施。在庫から選んでもらう形になりますが、わざわざ足を運んでくれたお礼の気持ちを込めて、お得な価格で販売されています。

「藤田製菓」広報担当の近藤さんは、「近所の小学校に通う子どもたちがおこづかいを握りしめて買いに来てくれることもあるんですよ。『やめないでください』ってお手紙をいただいたこともあって、とても嬉しかったです」と、心温まるエピソードを教えてくれました。最近は、海外からの旅行者が工場を訪れることも増えているそうです。
クオリティにこだわる100種以上のクッキー
犬やねこといった動物から、節分やハロウィンなどの行事モチーフまで、これまでにつくられた絵柄は100種以上。新しいデザインを考える際は、スタッフみんなで意見を出し合って試作を重ね、どこか懐かしい「藤田製菓」ならではのかわいらしさを追求しています。
クッキーのおいしさを左右する生地づくりは、代表の4代目が担当。その生地を型で抜き、パーツを重ねていく作業は、すべて熟練スタッフの手作業で行われます。目の位置ひとつで雰囲気が変わるため、スタッフ同士で声を掛け合い、高いクオリティの維持に努めています。


「サクッとしてほろっ」のひみつは低温焼成
愛されるクッキーづくりの秘訣は、「サクッとしてほろっ」とした食感を生み出す焼き方にもあります。


近年はスチームラックオーブンを導入し、低温でじっくりと焼き切るのが「藤田製菓」流。何度もテストを重ねて最適な焼成方法を追求しましたが、オーブンの数値に頼るだけでなく、目でも確認しながら焼き加減を調整しています。

焼きあがったクッキーは、輸送中の割れや湿気を防ぐため、シュリンク包装で密閉してから外装に入れるという徹底ぶりです。
こうして、1日およそ3000枚のクッキーを焼き上げる「藤田製菓」。同じ作業を繰り返す日々でも「毎日つくる絵柄が違うから飽きない」と近藤さんは語ります。
京都から全国へ、「おいしいクッキーを届けたい」プロの使命感
京都では「大垣書店 京都本店」や錦市場の「錦むらさき」などでも購入できる「藤田製菓」のクッキー。問屋さんが運営する海外向けの通販サイトで販売されたり、上京区の護王神社(通称いのしし神社)で「いのしし」のクッキーが取り扱われたりするなど、年々販路がひろがっています。

「どんな商品でも『いいものを届けたい』という使命感をスタッフ全員が持っていると感じます」と近藤さん。「藤田製菓」のクッキーが幅広い世代に愛され続けているのは、スタッフのチームワークと蓄積された技の賜物なのでしょう。


取材に伺った時期は、ちょうどクリスマス向けクッキーの繁忙期。絶えず手を動かす人々の姿は、まさに「職人」でした。熟練の手仕事が生み出す「藤田製菓」のクッキー。京都みやげやギフト、日常のおやつにもぜひどうぞ。
■藤田製菓
https://www.instagram.com/fujitaseikakyoto/
■シュリンク包装がうまく開けない場合は、Instagramの公式アカウントで公開されている開き方講座をご参照ください。
