京都・西陣|路地裏の古民家「wakka」で出会う、心を満たす焼き菓子

路地への入り口に置かれた小さな看板が目印

お寺の石垣を曲がり、路地を進んだ先に見える白い壁の古民家。ここが、京都で人気の焼き菓子店「wakka」です。

目次

お菓子づくりへの道と込めた想い

店主 中司和香さん

「wakka」のお菓子をつくるのは、店主の中司和香さん。4人兄弟の長女として育った和香さんは、子どもの頃、お父さんが営む料理店で楽しそうに過ごすお客さんを見て「いつか自分も父の手伝いがしたい」と思っていました。そして家では、料理上手なおばあさまが台所に立ち、「とようけ屋山本」のお揚げを使ったおいなりさんや鯖寿司をつくってくれていたそうです。

残念ながらお父さんのお店は子どもの頃に閉店しますが、和香さんは高校卒業後、製菓の専門学校に進学。「今思えば、父のお店や祖母の姿を間近で見ていたことが、食の道に進むきっかけになっていたのかもしれません」と語ります。

黄色い満月が目印のお店

専門学校卒業後は、京都のケーキ店に就職。そして2013年からは、自分のお店を持つことを目標に、藤森神社(京都市伏見区)の手づくり市へ出店するようになりました。

店名の「wakka」はこの時期につけられたもの。自身の名前「和香」と「和」という言葉にかけて「お菓子を食べる時間が和やかな時間になりますように」という想いが込められています。わっか=まんまる=お月様という連想から、お店の軒下には満月を模したオブジェ。マスコットキャラクターには月を見上げるウサギの「つきみちゃん」。まるで絵本の世界のような、心温まる焼き菓子店です。

実店舗のオープン、そして新たな決断

定番商品『米粉のスノーボール』もひとつずつ丁寧に。

念願の実店舗をオープンしたのは2015年。出産を機に一度閉店しますが、2020年に現在の西陣の地で再オープンを果たしました。テイクアウトだけでなく、カフェ利用もできるお店でしたが、2024年の9月からはテイクアウト専門の営業形態に変更されます。

「カフェを夏季休業していた時、お店に差し込む光の美しさにふと気付いたんです。それまでは忙しくて気付けなかったのだと思います」と当時を振り返る和香さん。お菓子づくりは楽しい反面、その過程は非常にハード。それでも「ひとつひとつの工程をていねいに、気持ちを込めてつくりたい」「大好きなお菓子づくりを長く続けたい」という想いが、この決断につながりました。

営業日、店内に並ぶお菓子たち。チーズケーキやチョコレートケーキなど冷蔵商品があることも。

それから約1年。カフェ営業のために使っていた時間をお菓子づくりに注ぐことで、新商品の開発や既存商品のブラッシュアップに今まで以上に力を入れられるようになり、お客さまと会話をする余裕も生まれたそうです。

こだわりの詰まった焼き菓子の楽しみ

営業日には約20種類の焼き菓子が並ぶ「wakka」。その中からおすすめの商品をご紹介しましょう。

  1. クリームスコーン
クリームスコーン

テイクアウト専門店への移行を機に開発された商品です。2種類の生クリームと発酵バターを使い、温め直さなくてもおいしく食べられる手軽さが特徴で、リピーターも多い人気商品です。

2.お抹茶ときなこのケーキ

お抹茶ときなこのケーキ

プレーン、黒ごま入りきなこ、宇治抹茶の3色の生地を組み合わせて焼き上げています。断面がのどかな里山風景のように見える点も魅力。春には、きなこの部分が桜色の生地に変わります。

3.つきみちゃんのサブレ

軒先のお月様と『つきみちゃんのサブレ』

マスコットキャラクター「つきみちゃん」をかたどったサブレ。ほかのお菓子と組み合わせ、ご自宅で焼き菓子プレートをつくって楽しむのもおすすめです。

たとえば、秋の「お月見」をテーマにすればごらんのとおり!

・月→『エダムチーズと黒こしょうの米粉サブレ』

・月見団子→『米粉のスノーボール』

・うさぎの親子→『おやこつきみちゃんのサブレ』

「wakka」で買えるお菓子の種類は、週ごとにインスタグラムで発表されます。お店を訪れる前に、チェックしてみてください。

京都土産にもおすすめのギフトパッケージ

これからも「ひとつひとつのお菓子と向き合っていきたい」という和香さんの手づくりお菓子は、京都のお土産にもぴったりです。心温まるデザインの包装紙や巾着袋に包んでもらえば、素敵な思い出の品にもなります。京都旅行の途中にも、ぜひ立ち寄ってみてくださいね。

右端の紙箱は催事出店時限定のギフトボックス

■wakka

https://www.instagram.com/wakka.tsukimi/

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