祇園甲部による春の舞踊公演「都をどり」。会場である「祇園甲部歌舞練場」で耐震工事が引き続き行われているため、今年も京都造形芸術大学(左京区)の劇場「春秋座」で開催されています。
2018年の演目は「続洛北名跡巡」(つづきてのらくほくめいせきめぐり)。
都をどりでは、毎年京都の名所や風物を題材とした演目が披露されています。出かけたことのある場所なら、「ああ、あの場所をこう演出したのか~」と比較することができるのも面白いポイント。行ったことがない場所なら、都をどり鑑賞のあと、実際に出かけてみるのもいいですね。今回は、鷹峯の源光庵や詩仙堂、五山送り火などがモチーフになっていました。
春秋座だからこそ、その演出方法は多彩。アニメーションで季節の移ろいを演出したり、氷の宮殿を演出する大道具が用意されたりと、現代的な演出が伝統と交差していました。
なお、正面舞台の両脇にある桟敷では、演奏を担当する地方さんや囃子さんが座っているのですが、それぞれに降ろされる緞帳は、今年、日本画家・千住博氏の絵を緞帳に仕立てています。
会場の楽しみは公演だけではありません。会場内には、造形大の教授陣や学生たちによる都をどりをテーマとしたアート作品が展示されています。
また、会場内は撮影禁止なのですが、舞妓さんとARを活用した撮影ができたり、舞台小道具を手に記念撮影できるフォトスポットを設置。
そして、会場にあるカフェ「BREATH KUAD」や1階「ヴェルディ・ル・カフェ・アルティザナル」には、都をどり開催期間の限定メニューを用意されているようです。
都をどりの開催期間は24日まで。毎年恒例の行事なので、今年は無理でもぜひ来年以降検討してみてはいかがでしょうか。
ちなみに、今回2階席に座って鑑賞しました。舞踊のフォーメーションのうつくしさは、1階席より全体が見渡しやすい2階席の方が迫力あるかもしれません。
※祇園の「祇園甲部歌舞練場」では、4月30日まで「都をどり特別展」を開催中です。京舞の披露や、写真・衣裳の展示など様々な楽しみが待っていますよ。