お盆を前に西陣のお精霊迎え

京都ではお盆を前に、ご先祖の精霊(おしょらいさん)が道に迷うことなく戻ってこれるようお迎えする行事が行われます。「六道まいり」などと呼ばれますね。ちなみに六道とは、地獄道・餓鬼道・畜生道・修羅道・人間道・天上道のこと。各世界で寿命が来たら別の世界へ転生する仕組みだそうです。最初にどこへ行くかは閻魔さまが決めるんだとか。

今回は京都・西陣の「千本釈迦堂」「千本ゑんま堂」の様子をご紹介しましょう。

■千本釈迦堂

おかめ桜が有名な「千本釈迦堂」こと大報恩寺。8月8日~12日・16日に六道まいりが行われます。
お寺に安置されている重文の「六観音菩薩像」の六道信仰に由来するようです。

普段は秘仏のご本尊・釈迦如来像もこの期間は本堂にてご開帳。
釈迦如来像の手には布が結ばれ、迎え鐘とつながっています。

境内にはかわいらしいイラスト入りの灯篭が奉納されており、日暮れ頃にはほんのり灯り。

お迎えしたおしょらいさんをお送りする精霊送りは16日。当日は境内で「手づくり市」も実施。
千本釈迦堂は上七軒や北野天満宮が近所。一緒に巡ってみてはいかがでしょうか。

・千本釈迦堂
http://www.daihoonji.com/

■千本ゑんま堂

ご本尊・閻魔法王が有名な「千本ゑんま堂」こと引接寺。
おしょらいさんが、ゑんま様の許しを得て帰ってくるといいます。

閻魔法王像が祀られている本堂前の線香の煙で塔婆を清めたのちに
本堂奥の「お塔婆流し」へ。

多数のお地蔵さんが並ぶ前には川のように水が流れており、
拝観時は噴水のように水が吹きあげていることもあって
そのミストが幻想的な風景を作り出していました。
この世とあの世の境目のような雰囲気で厳かな心地になりました。

「お塔婆流し」に決まった作法はないようですが、
塔婆の足元に3回かけ水、杓の上に乗せて想いとともに浮かべ流すと良いそうです。

この「水供養」のあとは、境内の迎え鐘をついて「鐘供養」。
千本ゑんま堂の梵鐘には南北朝時代の者と分かる刻銘があるそうです。

14日には千本六斎念仏(19時頃~)の奉納も。そして16日はお精霊送り 。

なお8月15・16日は十王図の「絵解き」も開催。十王とは亡くなった人が冥界で出会う十人の王のこと。

千本ゑんま堂がある付近は「上千本商店街」といって昔ながらの商店が並んでいます。
ぶらりと歩いてみるのもおすすめです。

・千本ゑんま堂
http://yenmado.blogspot.jp/

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