世界文化遺産「下鴨神社」の南側に佇む「旧三井家下鴨別邸」は、豪商・三井家ゆかりの貴重な近代和風建築です。2011年に国の重要文化財に指定され、2016年の秋から一般公開がスタート。歴史ある建築物が間近で見学できる、京都の人気スポットとなっています。

明治・大正の面影を伝える、歴史的建造物

明治42年(1909)三井家の祖霊社「顕名霊社(あきなれいしゃ)」がこの地に遷され、参拝時の休憩所として大正14年(1925)にこの「下鴨別邸」が設けられました。3階の望楼が印象的な主屋は、明治13年(1880)木屋町三条に建てられた三井家の「木屋町別邸」を移築。これに玄関棟を増築するなどして整備されました。こうした歴史から「旧三井家下鴨別邸」では、明治・大正時代の趣を色濃く残す建築の意匠が楽しめます。
庭園散策と限定スイーツで、心安らぐ時間を

「旧三井家下鴨別邸」の魅力は、歴史的建造物やその意匠だけではありません。四季折々に異なる表情を見せる美しい庭園も見どころのひとつです。庭園には瓢箪の形をした池があり、園内を歩いて散策できるようになっています。春は桜、夏はあじさいや蓮、百日紅。秋は萩や紅葉。冬の雪化粧も情緒があります。

館内は見学に加え、抹茶やスイーツで一服することもできます。夏の人気メニューは期間限定で提供される「わらび羹と冷抹茶のセット」。京都の老舗「亀屋良長」特製のぷるんとした口当たりのわらび羹と、ひんやりとした抹茶の組み合わせが夏の涼を運んでくれます。
食事付きプランや夜間開館などのイベントで特別な体験を

「旧三井家下鴨別邸」では、イベントも多数企画されています。たとえば、食事付きの見学プラン(事前予約制)は、通常非公開の主屋2階の座敷で食事を楽しみ、3階望楼(こちらも通常非公開)が見学できる人気プラン。朝食プラン、ブランチプラン、ランチプランなど、さまざまなイベントがありますので旅の計画に加えてみてはいかがでしょうか。

また夏の夜間開館も人気の恒例行事。夕暮れ時、室内に明かりが灯ると、日中とはまた違う趣で建築美が浮かび上がります。
公式サイトにはこうしたイベント情報が随時アップされています。ぜひチェックしてみてくださいね。
京都のおみやげにもぴったりのオリジナルグッズ
館内では、オリジナルの絵はがきやスイーツなどが販売されています。


旧三井家下鴨別邸ならではの品々は来館記念になることはもちろん、京都のおみやげとしても喜ばれるでしょう。

歴史や自然、そしておいしい時間も楽しめる「旧三井家下鴨別邸」。下鴨エリアを訪れる際には、その魅力をたっぷりと堪能しに出かけてみてはいかがでしょうか。
■旧三井家下鴨別邸
https://ja.kyoto.travel/tourism/article/mitsuike/
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