
パッと目を引く鮮やかな色彩と、上品な印象を残すデザイン。
2022年に誕生した「Ha10(ハット)」は、「こども、はじける、ぼうし」をコンセプトに、オリジナルの布製品を手づくりする京都発のブランドです。アイテムは子ども用の帽子を中心に、ヘアアクセサリーやトートバッグ、エプロンなどを展開しています。
立ち上げたのは、京都・岩倉育ちの清水洋二(きよみずようじ)さん夫妻。夫の洋二さんは商品企画や広報などを、妻の美希さんは商品の色合わせや縫製を担当されています。
ものづくりが身近な暮らし
代表の洋二さんは、陶芸家の父と兄、型染職人の母という、ものづくり一家に育ちました。進学した大学も、表現の総合大学といわれる京都精華大学。「今思えば、ものづくりに対する興味や価値観は、こうした環境の中で育まれたのかもしれません」と洋二さんは振り返ります。

大学卒業後はアパレル企業の営業職へ。若くして責任あるポストを任されるなど順調なキャリアを歩んでいましたが、次第に「一生この仕事を続けていて、自分は本当に楽しいのだろうか」と疑問を抱くようになります。
家業への転身と、自分らしい道
そんな折、山科で陶工房「TOKINOHA」を運営する兄の「岩倉にある父の工房兼住まいを、人が集まる場所に改装したい」という計画を耳にします。そのアイデアに直感的なおもしろさを感じた洋二さんは、会社を辞めて家業に加わる道を選択しました。
2025年12月まで器の総合ショップとして親しまれた「HOTOKI」で、洋二さんは商品企画や集客など多岐にわたる業務を担当。成果を上げる一方で、「自分の人生だからこそ、物事を自分で決めて進めていきたい」という独立心が強まりました。
「仕事って、どうすればうまくいくのかわからないことに挑んでいる時がおもしろいんです」。そう語る洋二さんの、常に新しい挑戦を求める姿勢が、今の「Ha10」を生み出す大きな原動力になっているのかもしれません。

原点は、わが子のために縫ったひとつの帽子
そんな洋二さんが、布製品のブランドを妻と共に立ち上げ、独立する転機となったのは、娘さんのためにつくった帽子でした。
当時3歳だった娘さんは髪の毛の成長がゆっくりで、頭を守る帽子は外出時の必須アイテム。しかし、市販の子ども用帽子はデザインが幼すぎるなど、「これだ!」と大人の目で見て納得できるものになかなか出会えませんでした。
そこで洋二さんは、生地と型紙を取り寄せ、慣れないミシンでチューリップハットを縫い上げます。
完成度は決して高くありませんでしたが、娘さんは大喜び。その笑顔を目の当たりにしたことが夫婦で「Ha10」を始める大きなきっかけとなりました。

唯一無二のデザインで、家族の日々に彩りを
「Ha10」が使う柄入りの生地は、デザインから企画したオリジナルのテキスタイルです。海外ブランドの商品も研究し、子どもが被れば愛らしく、大人の目にもおしゃれに映る絶妙なバランスを追求しています。

染色は、職人が型を用いて一色ずつ手作業で色を刷り込む伝統技法「手捺染(てなっせん)」を採用。さらに、縫製職人である義母の協力も得て、自社での縫製体制を確立。細部のニュアンスまで納得のいく形に仕上げています。

「特別な場所に行かなくても、近くの公園やいつもの帰り道が、この帽子をかぶるだけで少し特別な時間に変わる」
そんなブランドの想いを反映し、人の手でつくりあげた帽子は、子どもの頭を心地良く包み込み、家族の日々を優しく彩っています。
実店舗ならではの3つの魅力
2022年のブランド設立以来、イベントやポップアップを通じて着実にファンを増やしてきた「Ha10」。2026年4月には待望の実店舗「Ha10 Textile・Pottery・Work Shop(ハット テキスタイル ポータリー ワークショップ)」をオープンしました。

大きなガラス窓から光が差し込む心地良い空間には、ここを訪れたからこそ味わえる魅力があります。

・全ラインナップに出会える
髙島屋や蔦屋書店で取り扱われている「Ha10」のアイテムですが、フルラインナップが揃うのは実店舗のみ。余った生地を無駄にしないためにつくられた店舗限定コースターや、父である清水久さんと一緒に開発している器も並ぶ、ファン必見の品揃えです。


・色が選べるセミオーダー
厳選した国産帆布を使ったアイテムも展開する「Ha10」。その中でも、大人用のエプロンやトートバッグは、色の組み合わせが指定できるセミオーダーが可能。自分の好きな「推しカラー」で仕立てるのも素敵です。

・親子で楽しめる染色体験
約20種の型紙から好きなものを選び、トートバッグやショルダーバッグにスタンプ感覚でぽんぽんと染色ができるワークショップ。ものづくりの楽しさが小さなお子さんでも体感できます。空きがあれば当日参加も可能です。



これまで百貨店やイベントなどで「Ha10」の商品を手にしたことがある人でも、この実店舗を訪れることで、もっと「Ha10」のことが好きになる。そんな新しい発見に満ちたショップです。
自分たちの手で届ける喜び、これからも
未経験の業界に飛び込みながらも、自分たちの手で生み出したものを直接お届けできるワクワク感を楽しんでいるという洋二さん。今後はセミオーダーをより強化していき、帽子にも広げていかれるそうです。

これからの季節、お出かけがもっと楽しくなるようなアイテムを求めて、京都・岩倉の実店舗に出かけてみませんか。

■Ha10
