京都の五花街でもっとも古い歴史を持つ上七軒。
お昼時から舞妓さんを見かけることなんてないだろうなと思いながら歩いていると
遠くに見えたのは舞妓さんらしき後ろ姿。
黒紋付を着てわざわざ日中歩くなんて珍しいなと思って眺めていたら、
梅ひなさんという舞妓さんが「お見世出し」で挨拶まわりをしているところだと教えていただきました。
「お見世出し」とは、見習いさんという仕込みの期間を終えて舞妓さんとして座敷に上がる前に迎える節目のこと。
とにかく、とてもめでたい日なのです。
お見世出しのことや上七軒の舞妓さんのことなど、
いろいろ教えてくださったのは梅ひなさんの置屋の女将さん。
離れたところからじっと見守り、帰ってくるのを待ち続けておられたその姿は、
ひとりの娘を思いやるお母さんのようでした。