「おもしろそうな和菓子屋さんをみつけたよ」と聞き、さっそく向かったのは堀川今出川。
晴明神社や西陣織会館のあるあたりを路地に入ると、ありました。
「御菓子司 愛信堂」さんです。
愛信堂さんのお店に入ってまず目に飛び込んでくるのは、季節を映した上生菓子の数々。
たとえば今なら山茶花(さざんか)や柚子をテーマにしたお菓子が並びます。
(写真左:「山茶花」 写真右:「柚子のきんとん」)
季節の変化とともに、並ぶ上生菓子はどんどんと入れ替わっていくのですが、
それとは別に、通年取り扱いのある代表銘菓が愛信堂さんにはあります。
それが「ハスカップきんとん」。
ハスカップというのは北海道の植物で、その果実は「不老長寿の実」とも言われています。
ブルーベリーに似て甘酸っぱく、ビタミンC、アントシアニン、カルシウムなどが豊富に含まれた栄養抜群の実。
老化防止のほか、貧血や冷え性にも薬効があるとか。
そのハスカップの実を白あんにたっぷり加えて炊き上げ、きんとんにしたのがこの商品です。
甘酸っぱい和菓子って珍しいですよね!この風味は他の和菓子にはなく、とっても新鮮でした。
「煎茶だけではなく紅茶にも合う」という説明が愛信堂さんのホームページにありましたが、まさに。
一度はお試しいただきたい銘菓です。
◇◆◇◆◇
ハスカップから北海道の話がでましたが、北海道とのご縁は、愛信堂さんのあゆみを見ると納得です。
というのも、愛信堂さんは1891年(明治24年)に北海道・函館で創業されました。
クリスチャンだった初代が宣教師から洋菓子とパンの製造を学んだのがはじまりとのこと。歴史を感じます。
当代のご主人は五代目。京都の大学を卒業後、家業を継ぐために「亀屋良長」さんで修行をされ、
日本文化の研究に取り組んだのちに今の場所に店舗を構えられました。
オープンしたのは今年の5月。まだお若いご主人ですが、お話をしていると和菓子への熱い想いが伝わってきます。
素材へのこだわりはもちろんのこと、創作アイディアの引き出しもたくさん持っていらっしゃいます。
ハロウィンのパンプキン、節分のおたふくさんなど、いろいろと見せていただきました!
これからの季節は、クリスマスや忠臣蔵をテーマにした上生菓子も登場するそうですよ。
ご夫婦で商っていらっしゃいますが、お二人ともほんとうに素敵な笑顔で、そのお人柄からも元気をいただけます。
何回でも行きたくなる、愛信堂さんでした。
御菓子司 愛信堂 http://kyoto-aishindo.com/