【京都いいとこ鉄道取材班がゆく!】京都と奈良の県境「幻の大仏鉄道」へ

第6回目となる【京都いいとこ鉄道取材班がゆく!

今回は京都市を飛び出して京都府木津川市へやってきました。
(※木津川市…奈良時代に恭仁京が置かれ、浄瑠璃寺や海住山寺など国宝を有する寺も多い)

明治時代に設立された民営の鉄道会社「関西(かんせい)鉄道」(上写真は社章のモニュメント)。

官営鉄道(明治時代に政府が直営した鉄道)の東海道線とはまた別のルートで

大阪~東海圏の路線網を広げていきました。

そのひとつが奈良と加茂(京都府木津川市)を結んだ「大仏鉄道」です。

 

大仏鉄道は、現在でいう「関西本線」の前身で、

当時は深紅のイギリス製蒸気機関車が走り、

名古屋方面からの奈良の大仏参拝客を乗せておおいに賑わったそうです。

 

しかしこの大仏鉄道、大きな弱点がありました。

奈良へ至るには、黒髪山という急こう配を登らなければいけません。

そのぶん石炭の消費量も多くなりますし、

坂道を上る途中で機関車が立ち往生することもあったそうです。

 

そうして明治40年、奈良へ至る平坦な路線が開通。これにともない大仏鉄道は廃線。

 

大仏鉄道が稼働したのは、わずか9年。

線路跡も残されておらず、資料も少ないことから、

いつしか「幻」の鉄道と呼ばれるようになりました。

 

大仏鉄道の遺構として残されているのは、当時の橋台や隧道(トンネル)。

ちょうど田畑や山の中に残っているので

ハイキングしながら遺構巡りができると最近人気なんですよ。

 

出発地点は、JR「加茂」駅。

奈良駅周辺まで約4時間のコースです。

最初のほうは虫が道の真ん中で転がっている、そんなのどかな道を歩いていきます。

石造りの「観音寺橋台」

竹林に囲まれた山道。途中ぬかるんだ部分もあり。

大仏鉄道ハイキングコースの人気ポイント「鹿背山橋台」で遺跡気分を満喫。

道中は案内板もちょこちょこ出てくるので安心。

煉瓦造りのトンネル「梶ヶ谷隧道」

各ポイントにパネル説明があるので、勉強になります。

 

2時間くらいで山道を抜けて車の行きかう県道に入ります。

県道に入れば、飲食店もあるのでお昼ごはんも問題なし。

ちなみに私たちは「レガル」というパン屋さんでサンドイッチを買いました。

京都府と奈良県の県境近くにある「松谷川隧道」。ここは中にはいれません。

京都府から奈良県に入るのは、そこから歩いて30分くらいのところでしょうか。

奈良に入って1時間~1時間半くらいで奈良駅周辺に到着。

最後は鹿とたわむれ、

そのまま奈良駅から帰宅できる…という利便性の高い大仏鉄道ハイキング。

自然いっぱいのコースは、遺跡好き・鉄道好きはもちろん鉄道に興味がない方でも楽しめると思います。

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