- 1864年、「蛤御門の変」で鉾の木組みや車輪などを焼失した大船鉾(おおふねほこ)。以来、巡行には参加せず、大火を免れた御神体や懸装品(けそうひん)を披露する「居祭(いまつり)」(※)で祇園祭に参加してきました。神事以外の居祭を休止する時もありましたが、お囃子の再生、鉾の再建、懸装品の復元など、着々と復興を目指して準備を進行。2014年3月末までは、徐々に再建されていく大船鉾の木組みが京都駅前の「ヨドバシビル」1階で公開されていました。
そして2014年7月、再建された大船鉾が山鉾巡行に参加します。まだまだ完全な姿ではありませんが、山鉾はこれで合計33基に。大船鉾は7月24日「後祭巡行」の最後尾を進みます。なお、鉾建ては17日~、曳初めは20日。宵山期間中は、鉾の塔乗(有料)も可能です。 さまざまな歴史資料をもとに再建された大船鉾。真木なしの状態では、高さ約6m、全長約7mとのこと。同じように船の形をしている船鉾と比べると、1.126倍大きいそうです。
▲ヨドバシビルに展示されていた時の様子
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2012~2013年は、御神面を唐びつに入れて山鉾巡行に参加しました。
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宵山では、お囃子の演奏や懸装品を公開していました。
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宵山期間中は、大船鉾をデザインした手ぬぐいやポストカードも販売。
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かつての災害で被災し、巡行に参加できていない山鉾のことを「休み山」「焼け山」などと呼びます。その「休み山」が宵山の期間中、難を逃れた御神体や懸装品を飾って公開することを「居祭」と呼び、大船鉾も長年この「居祭」を続けてきました。そして今もなお、「鷹山」(三条通室町西入ル)・「布袋山」(蛸薬師通新町東入ル)が「居祭」を行って復興を目指しています。祇園祭の宵山に出かける時は、「休み山」にも足を運んでみてはいかがでしょうか。