ピンクリボン京都2016 イベントリポート

ピンクリボン京都 2016年セミナーレポート

「確かめましょう。愛のために、あなたのために」をスローガンとしたピンクリボン京都のセミナーに参加しました。
こういったセミナーは初参加。乳がんにまつわる怖い話が多かったらつらくなってしまうかも・・・セミナー前はそんな不安も少しよぎっていました。

会場は四条烏丸近くの「ウィングス京都」。中に入ると、「スタンプラリー&ウォーク」の開会式で描かれた小筆先生の作品が飾られていました!(下図、右上参照)

セミナーは3部形式になっており、まずは、ピンクリボン京都の実行委員長である田口哲也教授(京都府立医科大学 内分泌乳腺外科教授)のお話からスタート。テーマは「乳がんについてもっと知ろう」。


参加者からの事前アンケートなどを元に、スライドを使いながら、日本における乳がんの現状や乳がんの仕組みといった根本的なお話の後、参加者からの質問(事前回収済み)に時間の限り答えていく流れでした。

寄せられた質問は「予防方法が知りたい」「負担の少ない治療はあるの?」「妊娠有無は病気の発症と関わってくるのか」「先生がもし抗ガン治療を薦められたら受けることができる?」など。そもそも「内分泌乳腺外科なんてあるんだ」というところから驚いていた私にとっては、新しい知識の連続でした。

そういったお話の中で印象に残ったのは、治療方法についてのお話です。
乳がんの手術後、胸のふくらみがなくなったり変形したりするケースがありますよね。そこで行われるのが乳房の再建術。方法はいくつかあるようですが、先生はお腹の脂肪を胸に移す方法があると教えてくれました。年を重ねることで気になってくるお腹の脂肪。これを取り除くことができるので「お腹スッキリ胸ふっくら」でいいでしょ?と会場をわかせた田口教授。女性として美しく前向きに生きていく、そんな人生を後押ししてくれる治療方法もあるんだと驚きました。

つづいては、シンガーソングライターの松田陽子さんが登壇。自身が子宮頸がん、うつ病、脳腫瘍といった病気を経験され、さらには幼少期の親子関係、離婚など、人として女性として、壮絶ともいえる人生を歩んできた松田さん。苦しい日々を過ごしていた時、ある人からもらった言葉、ぬくもりを受けて、それまで「宿命」と思っていたことを「これは使命だ」と受け止めることができ、今こうして笑顔で生きているのだといいます。

松田さんの明るく軽快な関西弁で放たれる、体験談という名の熱いメッセージ。「母として女として人として、夢を叶えて幸せになってほしいし、誰もがきっとそうありたいと願っている。だからこそ健康が大切で、だからこそ早期発見のために検診へいってほしい!」時々、鼻をすする音が客席から聞こえてきました。そんな私もメモを取りながら片手はティッシュが手放せず…。

セミナーの最後はトークセッション。ピンクリボン京都の副実行委員長であり、足立病院の畑山博院長、そしてスポーツコメンテーターでバルセロナ五輪シンクロ銅メダリストの奥野史子さんが登壇されました。途中から田口教授と松田さんも参加。笑いあり、まじめな話ありの和やかなトークセッションで、参加者からの質問を元に話が進みました。

たとえば「マンモグラフィーは痛いんです」問題。乳がんの早期発見に役立つマンモグラフィーですが、調査によると「マンモグラフィーは痛い」というイメージが圧倒的多数を占めているようです。痛いと聞くと、検診に行くのも嫌になりますよね。私もはじめて受けたときは想像以上の痛みにびっくりしまして。でも2度目からはそんなに痛くなくて拍子抜けした記憶があります。先生たちがおっしゃるには「マンモグラフィーの機材も改良されているし、生理後は痛みを感じにくい」とのこと。ちなみに奥野さんも「マンモグラフィーは痛いよ~」と周りの人から聞いた後に受けたそうですが、検診後「これより痛いことほかにもいっぱいあるやろ!」と思ったそうです。さすがアスリート!と周りが感心する中、「検診は数秒で終わるし、これで安心できるならええやん」と明るくコメント。うんうんと、先生方も会場も納得ムードでした。

セミナーでは、病気にまつわる難しい話や怖い話というよりも、病気をとりまく日本の現状や、進歩している最新治療、妊娠出産との関係や、健やかな日々の過ごし方に至るまで、自分ごととして想像できるわかりやすいお話が多く、とても勉強になりました。

そして、登壇された皆さんが口をそろえる「早期発見」の大切さ。乳がんになる人は多いけれど、治る人も多い。でもそれには早期発見が重要。早く見つかれば、治療の負担も軽くなる。田口教授が最後におっしゃった「乳がんで困る人をゼロにしたいんです」。この想いが常に満ちあふれているような、あっという間の2時間半のセミナーでした。

【開催概要】

10月15日(土)13:30~16:00(13:00開場)

ウィングス京都2Fホール
入場無料(事前申込/先着200名)
※メール・FAX・ハガキにて申込

ピンクリボン京都 オフィシャルサイト
http://pinkribbon-kyoto.jp/pinkribbon_kyoto2016/

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