10月22日に行われる秋の年中行事。時代祭。時代考証を重ねて再現した、延暦時代~明治時代の歴史装束をまとい、2000人もの人が京都の町を巡行する行事です。この行列の注目点を4つにしぼってご紹介しましょう。
- 「織田信長や!」と沿道から子どもの歓声が響くこともしばしば。時代祭の行列には、坂本龍馬、和宮、織田信長、豊臣秀吉、淀君、紫式部、清少納言など歴史上の人物たちが練り歩きます。教科書でも目にするような人物の発見は、子どもも大人も楽しめるポイント。衣装の小道具やしぐさなどで人物を見分けることができるようになれば、「時代祭通(つう)」といえるかもしれません。
- たとえば、維新の際、反抗する幕臣と戦うために結成された「山国隊」(維新勤王隊列)、室町後期に財をなしたという「洛中の町衆」(室町洛中風俗列)、京の町で商いを行った「白川女」(白川女献花列)「大原女」「桂女」(中世婦人列)。行列を歩くかつての庶民の姿を見れば、日本の歴史にもっと親しみを感じるかもしれません。
- 踊りや振る舞いといったパフォーマンス。たとえば徳川時代、朝廷で大切な儀式や行事がある際に上洛していた「徳川城使上洛列」。挟箱、槍持、傘持など当時の面影を残す行列のパフォーマンスの中でも、毛槍を投げあう様子には沿道から拍手がおこります。また「室町洛中風俗列」では室町後期に財をなした町衆の風流踊りを披露。赤熊をかぶった子どもや奇抜な衣装に沿道の視線が集まります。
- 素材、染色、デザイン…細やかな時代考証を重ね、再現された衣装や小物類。中には金欄や京友禅など京都の伝統工芸の技を用いて復元したものもあります。このようなことから、「時代絵巻」と称される時代祭は、仮装パレードではなく歩く民俗学といえる行事でしょう。鎧、きもの、髪型、足袋、楽器…細部までぜひご注目ください。